文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 71: ホールド.: 特許を探してみた

早速、J-PlatPatで調査を進めていきます。発明者候補を頼りに、出願人=プラス、発明者=福田瑞穂 OR 芦野早苗 OR 松下東悟 で特許・実用新案を検索したところ、ヒット件数は2件。あ、ありましたよ。「ホールド.」に類似したシルエットの図面です。Google Patentsで検索したところ、図面の固定リンクもありましたので、引用しておきます。

 

特開2016-36626(出願日:2014.8.8)磁石

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPA_H28036626/E3A8021CB36372C367E0E518A885C248

 

https://patentimages.storage.googleapis.com/JP2016036626A/2016036626.tif/3.png

 

https://patentimages.storage.googleapis.com/JP2016036626A/2016036626.tif/3.png

 

請求項はこちら▼

【請求項1】
磁力を有するものに吸着される性質を有する所定の平面である被吸着面に対して吸着させられることが予定された平面である吸着面を有するものであり、磁力を有する磁石体と、
前記吸着面の近傍に配されたものであり、前記磁石体の前記吸着面を含む平面から突出しており、且つ前記吸着面が前記被吸着面に吸着させられたときに、前記被吸着面に押圧されて潰れるような突出部を備えた、弾性を有している弾性体と、
を備えてなる、
磁石構造体。

 

「ホールド.ラバー」にあたる構成は、上述の「突出部」にあたりますかね。

 

同様に意匠も検索してみましたが、該当するものは見つけられませんでした。

 

今回はこのあたりで調査を完了します。

 

 

Item 70: ライン: 特許を探してみた

独自のマウス型カッター機構の特長を表すキーワードがわからなかったので、J-PlatPatを利用して、出願人=長谷川刃物株式会社 で特許・実用新案を検索したところ、ヒット件数は44件。リストの上からざっと図面を確認していったところ、「ライン」に酷似したシルエットがありましたよ。

 

特開2005-288605(出願日:2004.3.31)補助装置及び作動装置

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPA_H17288605/B2D70535A817341BF1BA666B5202E661

 

補助装置の請求項はこちら▼

【請求項1】
対象面に対して作用を及ぼす作用手段を着脱可能に保持する保持手段と、前記対象面上に置かれた場合に前記保持手段を配置する配置手段と、前記作用手段が保持手段に保持された状態で該作用手段を対象面に対して作用を及ぼす状態とし得るように作動する作動手段とを備えた補助装置。 

 

請求項のタームと、「ライン」の構造との関係はこちら▼

作用手段=カッター

保持手段=カッターを保持する「ライン」の先端部分

配置手段=ユーザが手で保持する「ライン」の本体部分

作動手段=本体の上面に設けられるボタン部分

 

請求項1は、作用手段であるカッターの構成は含んでいない構成ですね。

 

一方、こちらの請求項4は、カッター部分も含めた構成になっていますね。だから、名称が補助装置でなく、作動装置なんですね。

【請求項4】
対象面に対して作用を及ぼす作用手段と、該作用手段を保持する保持手段と、前記対象面上に置かれた場合に前記保持手段を介して作用手段を配置する配置手段と、前記作用手段を対象面に対して作用を及ぼす状態とし得るように作動する作動手段とを備えた作動装置。 

 

発明者は、長谷川尚彦さんでなく、長谷川勝彦さん。

公式ホームページで確認したところ、長谷川勝彦さんは現会長のようですね。

www.canary.jp

 

同様に、意匠出願も検索したところ、ありましたよ。

 

意匠登録第1244942号(出願日:2004.9.30)カッター

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/DE/JPS_1244942/EA25A32D00A163CC7F43116227CDC672

 

【意匠に係る物品の説明】はこちら▼

この商品に係る物品は、カッターナイフである。パソコンのマウスのように使用する。本体から伸びたアームの先端部にカッターが設けられており、ボタンを押すとアームごとカッターが降下し切断物を切ることができる。切り進む方向にカッターが追従回転するので、曲線などのカットに便利である。 

 

残念ながら特許の方は拒絶されていますが、意匠は維持されているようです。

調査を進めていく中で、長谷川刃物株式会社さんの製品ラインナップを見て、すっかりファンになってしまいました。今後も、長谷川刃物株式会社さんの動向をウォッチしていきたいと思います。

 

 

 

  

 

 

Item 69: プレスマン: 特許を探してみた

まずは、2015年6月1日のリニューアル向けの出願がないか、J-PlatPatで調査していきます。出願人=プラチナ萬年筆 で特許・実用新案を検索してみると、ヒット件数は34件。ざっとレビューしてみましたが、リニューアルされた「プレスマン」に関する出願を特定することはできませんでした。

 

次に、1978年(昭和53年)発売の「プレスマン」向けの出願を調査していきます。昭和50年代の出願ということで、ULTRA Patentで調査していきます。さらに、権利化されたものに絞るため、特許・実用新案出願公告に対象を絞り、出願人=プラチナ萬年筆 で検索したところ、ヒット件数は、54件。

 

その中に、数多くシャープペンシルに関する案件がありましたが、セーフティースライド機構関連と思われる案件がありましたので、紹介しておきます。

 

実公昭57-021748(出願日:1978.8.8)シャープペンシル

 

請求項はこちら▼

f:id:bunseka_akiran:20170108195319p:plain

f:id:bunseka_akiran:20170108195403p:plain

 

効果はこちら▼ 「異常な筆圧が加わった場合でも、筆記芯は折損することなく・・」とありますので、セーフティースライド機構に関連する可能性があります。

 

f:id:bunseka_akiran:20170108195625p:plain

 

残念ながら、出願の公報、図面の固定リンクがなく、ご紹介することができませんので、ご興味ある方は、実公昭57-021748をULTRA Patent▼

www.ultra-patent.jp

で検索してみてください。

 

 今回は、このあたりで調査を終了します。

 

 

 

Item 68: ホッチポン: 特許を探してみた

リムーバーを表す特許用語がわからないので、J-PlatPatの意匠全検索アプローチで行こうと思います。

 

出願人=マックス株式会社 で意匠検索したところ、ヒット件数は441件。ざっと見ていったところ、「ホッチポン」に酷似するシルエットを見つけましたよ。

 

意匠登録第1129000号(出願日:2000.12.5)ステープルリムーバー

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/DE/JPS_1129000/B2A1F790F0E0365ED17D0708A4F0BD1E

 

やはり、創作者は、伊羅子知浩さんですね。

 

それでは、特許・実用新案も調査していきます。出願人=マックス株式会社、発明者=伊羅子知浩 で検索したところ、ヒット件数は19件。その中で、1件だけ、リムーバに関するものがありました。また、権利化もされているようです。

 

特許第4389077号(出願日:2000.12.13)リムーバ

 

権利化された請求項はこちら▼

【請求項1】
刃先プレートに形成された二股状部がリムーバ本体の一端に備えられた傾斜部の先端を挾持するように装着されたことを特徴とするリムーバ。

 ⇒リムーバの先端構造に関するもののようです。

https://wis.max-ltd.co.jp/op/product_image/RZ-10S_b1.jpg

 

https://wis.max-ltd.co.jp/op/product_image/RZ-10S_b1.jpg

 

【請求項2】
リムーバ本体は、その全長に渡って除去済のステープルを収容する空洞部を備えており、かつその後部側の空洞部内には、展開可能に枢支された蓋体の磁性材を収納する隔壁空間部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のリムーバ。

⇒針を収納する収納部(空洞部)、蓋部(蓋体)に連動する磁石(磁性体)が限定されていますね。

 

【請求項3】
リムーバ本体の空洞部を上・下空洞部に仕切り、上側空洞部にはスライダと該スライダに作用する戻しスプリングと蓋体を展開可能にする枢支部とが備えられ、下側空洞部には除去済のステープルが収容されることを特徴とする請求項1または2記載のリムーバ。

⇒収納部(空洞部)に枢支された蓋部(蓋体)の構成が限定されています。蓋部(蓋体)はスプリングで付勢されているようですね。

 

特許と意匠の両方で保護されていることから、マックス株式会社さんにとって、「ホッチポン」が如何に重要な製品であるかが伺えますね。

 

今回の調査は、このあたりで終了します。