文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 42: ホワイパー ミニローラー: 特許を探してみた

さっそく、グッドデザイン賞の記事に掲載されていた、高橋克明さんを頼りにして、J-PlatPatで調査を進めていきます。出願人=プラス、発明者=高橋 and 克明 で特許・実用新案を検索したところ、ヒット件数は199件。初代「ホワイパー ミニローラー」の発売日である2002年3月25日よりも前の出願ということで確認していったところ、初代「ホワイパー ミニローラー」に似ているシルエットを見つけました。

 

特開2003-103994(出願日:2001.9.28)塗布膜転写具及び塗布膜転写テープの交換方法

 

こちらの特許出願は、しっかり登録されていますね。権利範囲はこちら。

【請求項1】
テープの片面に剥離可能な状態で設けられた転写層を被転写面に転写するために用いられる塗布膜転写具において、摺動分割可能とされる第一のケースと第二のケースとを備える本体を有し、前記第一のケースは、本体内に収納される巻取リール及び供給リールと、ヘッド保持体により回転可能に第一のケースの先端近傍に軸支されて本体の先端から突出するヘッドと、を備え、該ヘッドは第二のケース内に形成されたラックと噛合可能な歯車部を備え、リフィール交換のために本体が分割されると前記歯車部とラックとが噛合してヘッド及びヘッド保持体がテープ交換位置まで自動的に回転し、リフィールを交換したのち本体を閉じることで、ヘッドが元の位置に回転復帰して自動的にヘッド先端部まで塗布膜転写テープが巻回され、転写作業が可能な状態となることを特徴とする塗布膜転写具。

 

同様に意匠出願も検索していきます。出願人=プラス、創作者=小野 and 覚 で検索したところ、ヒット件数は26件。初代「ホワイパー ミニローラー」に関連すると思われる意匠出願はこちら。

 

意匠登録第1162688号(出願日:2002.1.9)事務用塗膜転写具

 

こちらの最新の「ホワイパーミニローラー」のニュースリリースの中で、「先端部に独自の「ミニローラーヘッド」を採用した修正テープ「ホワイパーミニローラー」は、2002年の発売以来、10年にもわたり国内・海外で幅広い支持を受け続けている修正テープのロングセラー」とありましたので、Google Patentで海外特許も確認しておきます。

www.plus.co.jp

 

対応の米国特許もしっかり権利化されていましたよ。

 

US 6730186(優先日:2001.9.28)Coating film transfer tool and method for replacing coating film transfer tapes 

 

https://patentimages.storage.googleapis.com/US6730186B2/US06730186-20040504-D00003.png

 

https://patentimages.storage.googleapis.com/US6730186B2/US06730186-20040504-D00003.png

 

「ホワイパーミニローラー」が、様々な進化を遂げながら、10年にもわたり国内・海外で幅広い支持を受け続けている理由のひとつは、2001年9月28に出願され、世界中で権利化されている特許出願、2002年1月9日に出願され登録された意匠出願によって、「ホワイパーミニローラー」ブランドが確実に保護されているからかもしれませんね。

 

今回の調査はこのあたりで終わりたいと思います。