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文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 46: アイデアル: 特許を探してみた

Patent

こちら↓のブログ記事で紹介されている特許に関する情報を基に、Google Patentで検索したところ、1883年の出願が2件ありました。

「レギュラー」は瞬く間にヒットし、この優れたインク供給システムの発明は1884年にアメリカで特許を取得。 

www.boq.jp

 

US 307735(出願日:1883年6月20日)Fountain-pen

図面はこの一枚だけですね。引用しておきます。

https://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US307735-0.png

 

https://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US307735-0.png

 

ここで、現在の万年筆の書けるしくみについて、こちらのブログを引用して説明しておきます。

万年筆とわ(万年筆の特徴・書けるしくみ)

万年筆はサインペンと同様に毛細管現象(毛細管力)を利用した筆記具です。
インキタンク内からインキが引き出されペン先へと伝わり、その先端から紙の繊維に引かれることで筆記できます。
そしてこの毛細管力が効果的に働くよう、ペン先とインキタンクの間に位置するペン芯には、さまざまな工夫がなされています。まずその一つが空気溝の設置です。たとえば醤油さしは2箇所に穴があいており、片方を手で押さえると醤油は出てきません。
これと同様に万年筆も、筆記時にインキと同量の空気がインキタンク内に入らないとタンク内が真空になり、インキが出なくなります。そこでインキと空気との交換がスムーズにできるよう、空気穴と同じ働きをする空気溝がペン芯に切られています。 

 この毛細管現象による書ける仕組みを発明したのがウォーターマンです。実施例の毛細管現象に関する記述について引用しておきます。"capillary attraction"=毛細管引力です。

f:id:bunseka_akiran:20161010193723p:plain

 

請求項も同様に引用します。インク溝の構成を限定するだけの広い権利範囲ですね。

f:id:bunseka_akiran:20161010191710p:plain

 

さらに、3か月後に出願していますね。

US 293545(出願日:1883年9月19日)Fountain-pen

 

同様に、図面を引用しておきますが、先の出願と同じ図面のように見えますね。

https://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US293545-0.png

 

https://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US293545-0.png

 

請求項も引用します。

f:id:bunseka_akiran:20161010195249p:plain

 

この請求項を理解するために、こちらのブログで紹介されている「スリー・フィッシャー・インク・フィード・バー」の説明を引用します。

novelty-antique.chips.jp

 

「スリー・フィッシャー・インク・フィード・バー」とは

⇒ペン芯の背筋に空気を吸い込ませる一本の溝を彫り、その両横にインクを誘出させるための二本の細溝を刻んだペン芯 

 

上述の請求項の中の、"longitudinal groove"=空気を吸い込ませる一本の溝、"longitudinal fissures"=インクを誘出させるための二本の細溝、と解釈すると、この請求項が、「スリー・フィッシャー・インク・フィード・バー」の基本的な構成を権利範囲としていることがわかりますよね。

 

世界初の万年筆の名前が「アイデアル」か「レギュラー」かは決定的な情報を得ることができなかったのですが、ウォーターマン社が、現在の万年筆をもカバーする基本特許を1880年代に出願していたという史実を知ることができ、大満足の調査結果となりました。

 

本日はこのあたりで完了しようと思います。

 

 

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