Item 57: ビートルティップ・デュアルカラー: 特許を探してみた
いつものように、J-PlatPatで調査を進めていきます。出願人=コクヨ、公報全文=筆記具 で特許・実用新案を検索したところ、ヒット件数は214件。プレスリリースが発表された2014年2月4日より少し前の出願からざっと見ていきますと、、、あ、ありましたよ。カブトムシの角のシルエットが。
特開2015-104814(出願日:2013.11.28)筆記具
参考までに、請求項1を引用しておきます。
【請求項1】
互いに異なる色を呈するインキを含浸させた単一の先端部を構成する複数の芯体と、前記複数の芯体の先端部同士に介在する遮蔽板とを具備してなる筆記具であって
前記複数の芯体が前記遮蔽板から正面視において先端を含む一部が迫り出した形状を有するとともに、前記遮蔽板における前記芯体の先端部同士に介在する部分の正面視形状を入り隅及び出隅を形成しない形状としていることを特徴とする筆記具。
プレスリリースの画像を引用して、請求項1の「正面視形状」を説明します。「ビートルティップ・デュアルカラー」の黄色のペン先とピンクのペン先との間に位置する遮蔽板の「正面視形状」が円弧上になっているのが画像からわかると思います。この形状を「入り隅及び出隅を形成しない形状」と表現しているようですね。なかなか難解な文言ですね。
http://www.kokuyo.co.jp/com/press/image/140204028267ec85.jpg
「ビートルティップ」でググったところ、こんなページを見つけました。
KOKUYO DESIGN AWARD 2007で、Beetle head(ペン)として優秀賞を受賞した、「カブトムシの角のようなペン先で、細い線、太い線をひとつに集約」というコンセプトをベースに、「ビートルティップ」として商品化されたようですね。
http://www.kokuyo.co.jp/award/archive/prizepast/img/2007/2007_img03.jpg
「ビートルティップ」は、ペン先1つで、太線・細線・二重線(囲み線)の3種類の線が引くことができます。
http://www.kokuyo.co.jp/award/archive/goods/img/beetletip_concept.png
2008年10月27日のプレスリリースにて発表され、2008年11月14日に発売されたようです。
「スリーウェイ蛍光マーカー(ビートルティップ)」を発売|プレスリリース|コクヨ
参考までに、「ビートルティップ」に関する特許も特定するため、商品化担当者として紹介されていた神田朗さんのお名前で検索をかけてみましたが、残念ながら案件を特定することができませんでした。
「ビートルティップ」の基本出願を特定することはできませんでしたが、KOKUYO DESIGN AWARD 2007で入賞した「Beetle head」が、スリーウェイ蛍光マーカーの「ビートルティップ」として商品化され、さらに、2色を使い分けることができる「ビートルティップ・デュアルカラー」へと進化を遂げたことがわかり、コクヨさんの技術の継承力を垣間見ることができました。
今回はこのあたりで調査を終えようと思います。