文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 58: ジュース アップ: 特許を探してみた

パイロットさんは多数出願されていますので、まずは、J-PlatPatで意匠出願から探っていきます。出願人=パイロット、意匠に係る物品=ボールペン で検索したところ、ヒット件数は189件。上からざっと見ていったところ、、、「ジュース アップ」らしきシルエットを見つけました。

 

意匠登録第1560956号(出願日:2016.1.18)ボールペン

 

同様に、特許・実用新案も検索していきます。出願人=パイロット、発明の名称=ボールペン で検索したところ、ヒット件数は、635件。いやー件数ハンパないですね~笑。技術的な観点から「シナジーチップ」に関する特許出願を特定することはできませんでしたが、「シナジーチップ」に類似するペン先の図面が掲載されている出願を列挙しておきます。図面の直リンクは見つからなかったので公報リンクを貼っておきましたのでご興味ある方はご確認ください。

 

特開2016-112857(出願日:2014.12.17)ボールペン

http://patentsearch.jp/?no=jp2016-112857

【請求項1】
内向きの前端縁部と、その後方に形成されたボール受け座との間で回転可能にボールを抱持するボールペンチップと、該ボールペンチップが前端部に固着され且つ内部にインキが直に収容されたインキ収容筒と、前記ボール後方のインキ供給路内に配置され、前記ボールを前方に付勢し且つ前記ボールを前記前端縁部の内面に圧接するスプリングと、を備えたボールペンであって、
前記スプリングが、コイル部を備え、該コイル部の後端部に、軸心から拡径方向に延びる密着巻部からなる閉鎖壁部が形成されることを特徴とするボールペン。

 

特開2016-112858(出願日:2014.12.17)ボールペン

http://patentsearch.jp/?no=jp2016-112858

【請求項1】
内向きの前端縁部と、その後方に形成されたボール受け座との間で回転可能にボールを抱持するボールペンチップと、該ボールペンチップが前端部に固着され且つ内部にインキが直に収容されたインキ収容筒と、前記ボール後方のインキ供給路内に収容され、前記ボールを前方に付勢し且つ前記ボールを前記前端縁部の内面に圧接するスプリングと、を備えたボールペンであって、
前記スプリングがコイル部を備え、該コイル部が、径方向外方に突出される密着巻部よりなる環状鍔部を備え、前記インキ供給路内に、前記環状鍔部の前端が係止される前側係止壁部と、前記環状鍔部の後端が係止される後側係止壁部とを設け、前記前側係止壁部と前記後側係止壁部との間で前記環状鍔部が前後方向に挟持されてなること特徴とするボールペン。

 

特開2016-124193(出願日:2014.12.28)ボールペン

http://patentsearch.jp/?no=jp2016-124193

【請求項1】
金属製の筒体の前端に内向きの前端縁部が形成され、前記前端縁部の後方の筒体の前端近傍内面にボール受け座用の複数の内方突出部が形成され、前記筒体の前端部の前記前端縁部と前記内方突出部との間でボールが回転可能に抱持されたボールペンチップと、前記ボールペンチップ内に配置され且つ前記ボールの後面に前端部が当接される押圧部材と、前記押圧部材を前方に付勢することにより前記ボールを前方に押圧し且つ前記ボールを前端縁部の内面に密接させる弾発部材と、を備えたボールペンであって、
前記押圧部材が、前記内方突出部の相互間のインキ流通間隙に挿通され且つ前記ボール後面に当接される小径部と、該小径部より後方に連設され且つ該小径部より大きい外径を有する大径部とを備え、前記大径部が前記筒体内を前後方向に摺動可能に構成されたことを特徴とするボールペン。

 

特開2016-124199(出願日:2014.12.29)ボールペン

http://patentsearch.jp/?no=jp2016-124199

【請求項1】
内向きの前端縁部とその後方に形成されたボール受け座との間で回転可能にボールを抱持する筒状のチップ本体と、該チップ本体内に配置され、前記ボールを前方に付勢し且つ前記ボールを前記前端縁部の内面に圧接するスプリングとを備え、前記ボール受け座にインキ流通孔が軸方向に貫設され、前記スプリングが、前記ボール受け座のインキ流通孔に挿通され且つ前端がボール後面に当接されるロッド部と、該ロッド部の後端に連設される弾発力を付与するコイル部とを備えたボールペンであって、
前記コイル部の前端部の外面に前方に向かうに従い縮径するテーパ状外面が形成され、
前記チップ本体のボール受け座後方の内面に前方に向かうに従い縮径するテーパ状内面が形成され、前記コイル部のテーパ状外面が前記チップ本体内のテーパ状内面にガイドされることを特徴とするボールペン。

 

特開2016-124200(出願日:2014.12.29)ボールペン

http://patentsearch.jp/?no=jp2016-124200

【請求項1】
内向きの前端縁部とその後方に形成されたボール受け座との間で回転可能にボールを抱持する筒状のチップ本体と、該チップ本体内に配置され、前記ボールを前方に付勢し且つ前記ボールを前記前端縁部の内面に圧接するスプリングとを備え、前記スプリングが、ボール受け座の軸方向に貫設されたインキ流通孔に挿通され且つ前端がボール後面に当接されるロッド部と、該ロッド部の後端に連設される弾発力を付与するコイル部とを備えたボールペンであって、前記コイル部が前方に向かうに従い縮径するテーパ状に形成され、前記チップ本体のボール受け座後方の内面に前方に向かうに従い縮径するテーパ状内面が形成され、前記テーパ状内面に係止突起が形成され、前記コイル部が前記チップ本体内のテーパ状内面内に収容され、前記係止突起に前記コイル部の後端が抜け止め係止されることを特徴とするボールペン。

 

これらの出願が「ジュース アップ」に関連するのか、「ジュース アップ」に関連する案件は未だ未公開案件なのか、本当のところはわかりませんが、同じチップ形状のボールペンに対して、あらゆる観点で権利を取得していくパイロットさんの知財戦略を知ることができました。

 

今回はこのあたりで調査を終えようと思います。