文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 30: ドット入り罫線ノート: 特許を探してみた

それでは、J-PlatPatで検索していきましょう。出願人=コクヨ、発明者=田畑 and 幸辰 で特許・実用新案を検索したところ、ヒット件数は0件。ん、おかしいですね~。では、意匠にいってみましょう。出願人=コクヨ、創作者=田畑 and 幸辰 で検索したところ、ありました~。ヒット件数は1件!

 

意匠登録第1355685号(出願日:2008.6.13) ノート用紙

 

まさに、ドット入り罫線そのものを意匠として出願していますね。プレスリリースにて発表されたのは2008年9月18日ですので、出願日ともマッチしますね。さらに驚きなのは、筆頭創作者。田畑幸辰さんでなく、宮西純子さんでした。宮西さんと言えば、以前紹介したItem 1: ソフトリングノート、Item 4: SYSTEMICの発明者でもある、私にとっては超有名人笑。

 

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ドット入り罫線ノートには多くのラインナップが出ているのですが、その進化系という位置づけとなる「学習罫キャンパスノート」というものを見つけましたので紹介しておきます。プレスリリースにて2013年9月17日に発表され、2013年10月9日に発売されています。

 

~中高生の学習に最適~新カテゴリー「学習罫キャンパスノート」が誕生|プレスリリース|コクヨ

 

この「学習罫キャンパスノート」は、コクヨさんが、中高生が使用した500冊のノートを教科別に徹底的に研究し、開発した、文系科目用の<文章罫>と、理系科目用の<図表罫>という、2つの罫線タイプのノートです。順に紹介します。

 

(1) 「<文章罫>(文章が読みやすい)」
ドット入り罫線の行の間に点線を配置しており、その点線にそろえて文字を書くと、一定の余白をあくことで読み返しやすいノートとなり、国語や社会、英語などの文系科目に最適なノートとなっているとのこと。

 

 

(2)「<図表罫>(図表が描きやすい)」
ドット入り罫線の行の間に、行を4等分する小さな3列のドットを配置しており、各ドットを目印にすることで図や表をわかりやすく描くことができ、数学や理科などの理系科目に最適なノートとのこと。 

 

意匠出願の有無についても確認してみました。宮西さんのお名前で検索したところ、それらしきシルエットのものがありましたので、参考までにご紹介しておきます。それぞれ2件ずつ出願されているようです。

 

(1) <文章罫>関連出願

意匠登録第1488131号(出願日:2013.7.18)ノート用表紙

意匠登録第1492950号(出願日:2013.7.18)ノート用紙

 

(2) <図表罫>関連出願

意匠登録第1488132号(出願日:2013.7.18)ノート用表紙

意匠登録第1492951号(出願日:2013.7.18)ノート用紙

 

コクヨさんの徹底的な研究により生まれた、ドット入り罫線ノートと、その進化系の学習罫キャンパスノート。店頭でみかけたら、その背景ストーリーが頭に浮かび、思わず手にとってしまいそうです。それにしても、何故か、私は宮西さんが生み出す文房具に知らず知らずに魅かれているようですね(^^ゞ

 

今回の調査はこのあたりで終えようと思います。