文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 9: フィットカット カーブ: 特許を探してみた

こちら↓のインタビュー記事を頼りに、J-PlatPatで検索していきましょう。

出願人=プラス株式会社、発明者=久保田 and 創 で特許検索したところ、結果は0件。今度は、発明者で限定せず、出願人=プラス株式会社、公報全文=はさみ or ハサミ で検索したところ、結果は7件。でも関連するものはなさそうです。

特許は出願されていないのかもしれませんね。次に、出願人=プラス株式会社、意匠に係る物品=はさみ or ハサミ で検索してみました。結果は7件。発売は2012年1月12日とすると、その前に出願している下記2件が関連する可能性が高いと思います。【意匠に係る物品の説明】部分に、「本物品は、開いた状態を示す参考一部拡大図に示すとおり、左右の刃において孤状に外方へ向かって湾曲させることにより、従来のハサミより一層の切れ味を高めたものである。」という記述もあります。

意匠登録第1455804号 出願日:2011.11.24 創作者:岩崎 一郎、鈴木 啓太、米津 雄介、吉田 直哉
意匠登録第1455805号 出願日:2011.11.24 創作者:岩崎 一郎、鈴木 啓太、米津 雄介、吉田 直哉

 

この創作者で、再度特許検索してみました。米津雄介さん、吉田直哉さんで検索したところ、1件ヒット。
特開2013-240399(出願日:2012.5.18)出願時に主張する権利範囲はこちら↓

 

【請求項1】
鋏の切断刃の湾曲形状において、
当該鋏を開き、左右の切断刃が交差する交差点と回転中心との距離をYとし、
前記左右の切断刃が交差する交差点と回転中心とを結ぶ線を回転基準線Bとし、
前記鋏の前記回転中心から左右の切断刃上の定点Aまでの距離をR(mm)とし、
一方の切断刃の前記定点Aと前記回転中心を結ぶ線が前記回転基準線Bと交わる角度をθ(rad)とし、
前記左右の切断刃の前記定点Aにおける接線相互がなす角度をX(rad)とし、
前記切断刃の形状を表す極座標上の方程式が、
R=Y*exp(θ*Cot(X/2))
である切断刃の形状であり、
Xの値をπ/18(rad)からπ/3(rad)の範囲とし、かつ、
左右の切断刃が交差する状態において左右の切断刃を最大に開いたときのYの値を5(mm)から30(mm)の範囲としたことを特徴とする鋏。

 

ここで気付いたのですが、はさみが漢字で表記されていますね。だから検索にヒットしなかったんですね。勉強になります(^^ゞ 請求項1に戻りましょう。数式の意味は理解できませんが、鋏の切断刃の湾曲形状が数式で定義されているのはわかりますね。審査状況を確認したところ、拒絶を受け、一度手続き補正しています。下線部が補正箇所です。

 

 【請求項1】
 第1の鋏体と第2の鋏体を有し、
 前記第1の鋏体及び前記第2の鋏体は、それぞれ、背部及び切断刃を備える刃体部と、
前記刃体部の先端から連続する接続部と、柄部を介して前記接続部と一体とされて指掛け穴を備える把持部と、を有し、
 前記第1の鋏体及び前記第2の鋏体は、各前記接続部を結合する結合部材により対称形状として回動可能に接続され、
 各前記刃体部の各前記背部は、直線に近い曲率半径の大きな滑らかな曲線で各前記接続部の一方の側縁に連続し、
 各前記刃体部の基部には、各前記接続部の他方の側縁から後退した各前記切断刃の基部側端部位置に後退部が形成されて、
 各前記後退部は、各前記切断刃から各前記他方の側縁に亘ってそれぞれ凸円弧状に形成され、
各前記切断刃の湾曲形状は、
当該鋏を開き、左右の切断刃が交差する交差点と回転中心との距離をYとし、
前記左右の切断刃が交差する交差点と回転中心とを結ぶ線を回転基準線Bとし、
前記鋏の前記回転中心から左右の切断刃上の定点Aまでの距離をR(mm)とし、
一方の切断刃の前記定点Aと前記回転中心を結ぶ線が前記回転基準線Bと交わる角度を
θ(rad)とし、
前記左右の切断刃の前記定点Aにおける接線相互がなす角度をX(rad)とし、
前記切断刃の形状を表す極座標上の方程式が、
R=Y*exp(θ*Cot(X/2))
である切断刃の形状であり、
Xの値をπ/12(rad)からπ/5(rad)の範囲とし、かつ、
左右の切断刃が交差する状態において左右の切断刃を最大に開いたときのYの値を5(
mm)から15(mm)の範囲としたことを特徴とする鋏。

 

また、気になるのは、本出願(出願日:2012年5月18日)は、発売日2012年1月12日の後に出願されている点。となると、本出願は初代フィットカット カーブでなく、改良版の出願かもしれません。

キラリッチに続き、フィットカット カーブも、高度な技術が埋め込まれた革新的な商品であることを再認識いたしました。

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