Item 13: フリクションシリーズ(パイロット)
みなさん、ご存じのフリクションシリーズの画期的なインキについて、追っておきたいと思います。開発秘話については多数のページで開示されていますが、こちらの公式ホームページを引用しながら開発の流れを確認していきます。
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1975年「温度変化によって色が変わるインキ」の基本技術の開発に遂に成功。インキの名前はメタもカラー。当時のインキでは、一度消した文字が常温で復活してしまい、筆記具としての商品化には至りませんでした。
1980年代には、米国のグラスメーカーと共同で絵柄が変わるグラスを作成。お風呂の中で遊びながら文字を覚えられる知育玩具などにも利用されていました。
1990年代からは、示温剤として広く利用されました。飲料メーカーの冷酒やワインなどのラベル印刷に使用され、10℃などあらかじめ設定した温度になると『飲み頃』の表示が現れるといったものです。
2002年にはマイクロカプセルを筆記具用インキにも応用できる2~3ミクロンに小型化することに成功しました。さらに同時期に、変色温度調整剤の研究開発も進歩し、フリクションインキの変色温度幅は摂氏65℃から-20℃に設定可能となり、
2005年に、ついに実用筆記具としての製品化が実現しました。
上述の記事でインタビューされている千賀邦行さんや、J-PlatPatに蓄積されている文献情報に制限があるようですので、おそらく、1990年以降の開発動向(示温剤、変色温度調整剤、筆記具)を手掛かりに、調査を進めてみようかと思っています。お楽しみに。