文房具特許の世界

文房具が好きで、特許を手掛かりにその背景を妄想することによって文房具をもっともっと好きになるために、ブログはじめました。といっても、文房具特許についてはド素人で、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思っています。文房具カフェ会員No.01845 連絡先:bunseka.akiran@マークgmail.com

Item 36: ココサス: 特許を探してみた

では、J-PlatPatで、出願人=ビバリーで特許・実用新案を検索したところ、ヒット件数は36件。1件だけ、付箋セットという案件がありましたよ。まさに、「ココサス」のシルエットですね。

 

実用新案登録第3181238号(出願日:2012.11.13)付箋セット

 

請求項はこちらです。

【請求項1】
裏面に粘着部が設けられた記事指摘片と、裏面に粘着部が設けられた頁指摘片とが分離可能な付箋が複数の組み合わせからなる付箋セットであって、
一体的に関連付けられた前記記事指摘片と前記頁指摘片とを有し、互いに異なる複数種類の付箋を組み合わせてなることを特徴とする付箋セット。

 

矢印の先の部分が、記事指摘片で、矢印の後ろの部分が、頁指摘片にあたるんでしょうね。ん? 請求項1の前半部分だけで、「ココサス」の特徴は十分表現されているように思いますが、「一体的に関連付けられた前記記事指摘片と前記頁指摘片とを有し、互いに異なる複数種類の付箋を組み合わせてなる」点まで限定していますね。効果はこちらです。

上記構成によれば、分離可能な記事指摘片と頁指摘片とが一体的に関連付けられた付箋が互いに異なる複数種類組み合わされているため、一人、或いは複数人が目的別に付箋の種類を選択し、一体的に関連付けられた記事指摘片と頁指摘片とを分離して、該頁指摘片により該当頁を特定すると共に、記事指摘片により該当箇所を特定することが出来る。 

 

 こちらの「ココサス」を使って、請求項の後半部分をもう少し説明していきますね。

 

 

 

「一体的に関連付けられた前記記事指摘片と前記頁指摘片」とは、矢印の先の部分と、後ろの部分とが、一体的に、同じ色で関連付けられているということです。

 

さらに、「互いに異なる複数種類の付箋を組み合わせてなる」とは、緑、紫、青、黄のように、互いに異なる4種類の付箋が組み合わされたセットになっているということ。

 

これにより、一人、或いは複数人が目的別に付箋の種類を選択し、一体的に関連付けられた記事指摘片と頁指摘片とを分離して、該頁指摘片により該当頁を特定すると共に、記事指摘片により該当箇所を特定することが出来る訳です。例えば、同一読み物、或いは同一頁に、異なる目的で付箋が複数貼着された場合でも、どの付箋を目印にすれば良いのかが容易に判別出来ます。

 

矢印の先と後ろが同じ色で、異なる色の矢印がセットになっていることに、ここまで深い意図があったとは、驚きです。

 

さらに、もうひとつ驚きの事実が笑

 

実用新案登録第3181238号の考案者は、なんと、株式会社ビバリーの代表者取締役社長 神下 英輝氏。ちなみに、36件のうち、株式会社ビバリーが出願人になっているものは29件。そのうち、神下 英輝氏が発明者/考案者になっているものは5件のみ。そのうちの1件が本件です!

 

今回、初めて知ったのですが、株式会社ビバリーは、ジグソーパズルを事業の中心にしている企業なんですね。だからこそ、「ココサス」には、ただ便利なだけでなく、どこか遊び心を感じるのではないでしょうか。

 

社長自らのアイデア商品「ココサス」の今後に目が離せませんね。

 

このあたりで、今回の調査は終了したいと思います。