Item 1: ソフトリングノート: 妄想ストーリー
もう少し基本出願について追ってみました。
「リングが柔らかい」というポイントでコクヨから出願されていた、
特開2000-141973は、権利になっていませんでした。
根拠となっている出願は、
実用新案全文昭55-042531(個人)
実用新案全文昭63-088490(タキロン株式会社)
どちらが主引例かはわかりませんが、実用新案全文昭55-042531には、
「従来のリンク機構のルーズリーフノートは応力がかかると変形して使用不能となることがあるが本考案のコイルスプリングノートは柔軟性があるため応力がかかっても復元性に富み故障することはない」
とあります。
このあたりの記述が拒絶査定の根拠だったのかもしれませんね。
現在のソフトリングノートに関連するであろう3件の出願の中味をみてみたところ、先行技術として、コクヨさんの登録されている特許第5374721号(2010年出願)が引用されていました。これが、まさにソフトリングノートの原型でした♪
"リングノート"で検索してしまったので、この件が抜けてましたね。
素人ですみません。
本登録特許の登録となったポイントは、なんと、D字形状の構成♪
現行のソフトリングノートの売りである、ページの端が揃う点についても本登録特許に開示されていますね。流石コクヨさんです♪
特許情報のみから開発ストーリーを妄想するに、
2010年でD字形状のソフトリングノートの原型を開発し、商品化に向け、製造の簡易化、用紙の浮き上がりの軽減、リングがより引っ掛からないようなリング形状について、改良に改良を重ね、2014年にようやく完成。2015年3月11日に「ソフトリング®ノート(ドット入り罫線)」発売の運びとなりました、という感じでしょうか。
発明者の宮西さんでググってみると、コクヨの商品化担当として有名な方だったのですね。(勉強不足ですみませんでした)
なんと、ソフトリングノートの開発についてもインタビュー記事がありました。
インタビューの中の「通常ノートの開発期間は、発案から発売まで約1年ほどですが、今回はトータルで約3年の年月を費やしました。」という宮西さんの言葉にも、上記の妄想はなんとなく符合しますかね。♪
文房具特許や文房具業界について、まだまだ知らないことが多く、分析も甘いため、薄っぺらい妄想となってしまいましたが、このあたりで完了しようと思います。
コクヨさんの代々の発明者の改良の積み重ねでうまれたソフトリングノート。そんな熱い背景を感じながら、これからも利用していこうと思います♪